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「秋の褒章」 小説家の大沢在昌さんなど 717人と29団体が受章 - nhk.or.jp

長年にわたってその道一筋に打ち込んできた人や、芸術やスポーツの分野で功績のあった人などに贈られる「秋の褒章」の受章者が発表され、小説家の大沢在昌さんなど合わせて717人と29の団体が受章することになりました。

ことしの「秋の褒章」を受章するのは、人命救助活動で功績のあった人に贈られる「紅綬褒章」が7人と2つの団体。

ボランティア活動で功績のあった人や団体に贈られる「緑綬褒章」が17人と27の団体。

長年にわたって、その道一筋に打ち込んできた人に贈られる「黄綬褒章」が242人。

芸術や文化、スポーツ、それに学術研究の分野で功績のあった人に贈られる「紫綬褒章」が9人。

公共の仕事で顕著な功績があった人に贈られる「藍綬褒章」が442人です。

このうち「紫綬褒章」は、直木賞作家で、ハードボイルドな刑事小説「新宿鮫シリーズ」など、多彩な作品を40年以上にわたって執筆し続けている大沢在昌さんや、実在の人物をモデルにした舞台作品を数多く発表し、NHKの連続テレビ小説「まんてん」の脚本も手がけた、劇作家で演出家のマキノノゾミさんらが受章します。

「秋の褒章」の受章者は、例年、皇居で天皇陛下からおことばを受けることになっていますが、新型コロナウイルスの影響で、ことしもおととしから3年連続での取りやめとなりました。

大沢在昌さん「読み始めたら止まらない作品を書き続けたい」

紫綬褒章を受章する小説家の大沢在昌さんは、名古屋市出身の66歳。

1979年に「感傷の街角」で小説推理新人賞を受賞し、デビューしました。

1991年に発表した「新宿鮫」は、新宿警察署の警部、鮫島が悪に立ち向かう姿を描いた本格的なハードボイルド小説で、吉川英治文学新人賞と日本推理作家協会賞を受賞しました。

その後、「新宿鮫」は人気シリーズとなり、4作目の「無間人形」は1994年に直木賞に選ばれています。

従来の警察小説の枠を超え、魅力的なキャラクターやサスペンスにあふれた展開などバラエティーに富んだスタイルで、デビューから40年以上にわたりハードボイルドにこだわった作品を発表し続けています。

今回の受章についてNHKの取材に答えた大沢さんは、「自分の書きたいものを書きたいように書いてきたので、私でいいんですかと驚いたとともに、読者がいたからここまで続けることができたのでありがたく思います。職場や学校、家庭で苦しい場面があったとき、主人公が頑張っている姿になぞらえて自分も頑張ろうと思ってもらえたら、作家冥利(みょうり)に尽きます。これからも、読み始めたら止まらないと言われる作品を書き続けたいです」と話していました。

マキノノゾミさん「10年先、50年先でも上演できる作品書きたい」

紫綬褒章を受章するマキノノゾミさんは静岡県出身の63歳。

同志社大学文学部を卒業後、1984年、24歳の時に「劇団M.O.P」を旗揚げし、劇作家、演出家として多くの作品を発表してきました。

史実を徹底的に調査することで時代背景を鮮明に描き出しつつ、大胆な創作を加えた舞台づくりが持ち味で、実在の人物をモデルにした人間味あふれる舞台作品を数多く手がけてきました。

昭和初期の下宿屋に集う風変わりな人々を描いた代表作「東京原子核クラブ」は、東京国際フォーラムのこけら落としで上演されたほか、脚本を手がけた舞台「昭和虞美人草」で、昨年度の文化庁の芸術選奨文部科学大臣賞を受賞しています。

また、2002年から放送されたNHKの連続テレビ小説「まんてん」では脚本を担当しました。

紫綬褒章の受章についてマキノさんは「受章については考えてもいなかったので驚きました。私は際立った特徴のある劇作家ではありませんが、戯曲を書くときにいつ創作されたものなのか分からない作品を書きたいと強く思ってきました。そうした作品は10年先、50年先でも上演することが可能で、そういうものでありたいと思っています。今、演劇人は経済的に厳しい状況ですが、演劇は決して滅びないし、変わらずにあり続けると思うので、若い人たちには自分がおもしろいと信じることをやればいいんだよと伝えたいです」と話していました。

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