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新潟女性殺害、男に無期懲役 同種事案と比較し死刑回避(写真=共同) - 日本経済新聞

新潟県新発田市で2014年、女性会社員(当時20)の車に乗り込み、わいせつ行為をした上で殺害したとして、殺人や強制わいせつ致傷などの罪に問われた喜納尚吾被告(39)の裁判員裁判で、新潟地裁は18日、無期懲役(求刑死刑)の判決を言い渡した。佐藤英彦裁判長は「死刑になった同種事案と比べて悪質性が突出しているとは言えない」と述べた。

喜納被告は別の女性への強姦致死罪などで無期懲役が確定。服役中の20年2月、逮捕されていた。無期懲役の判決確定後、別の事件で同じ刑を言い渡されるのは異例だ。

弁護側は自殺か事故で女性が死亡した可能性があると主張したが、佐藤裁判長は判決理由で、被告と面識がない女性の車のハンドルから被告と女性の混合DNA型が検出されたほか、遺体発見現場付近で被告に似た人物を目撃したとする証言も信用性が高いと指摘。「被告が犯人であることは間違いないと認められる」と結論付けた。

その上で、判決が確定した強姦致死事件などに触れ、女性を襲う性犯罪を繰り返しており「常習性があり反省も見られない。結果は誠に重大だ」と非難した。

一方で「わいせつ目的の殺人で被害者が1人の場合、多くの判決で無期懲役としている」と述べ、被害者が1人で死刑判決を言い渡された事件と比較しても悪質性が突出していると言えず「同列にできない」として死刑を回避した。主文は理由朗読後に告げた。

判決によると、被告は14年1月、新発田市内で女性の車に乗り込み、わいせつな行為をして約1週間のけがを負わせ、何らかの方法で殺害した。

喜納被告は13年8~12月に女性4人をわいせつ目的で襲い、そのうち1人を死亡させた他、14年6月に勾留質問中に新潟地裁から逃走を図ったとして18年に無期懲役が確定、20年2月に新潟県警が逮捕するまで岐阜刑務所で服役していた。〔共同〕

「無念、納得できない」 遺族思い届かず、ため息も

「常習性があり反省も見られない」として殺人や強制わいせつ致傷での有罪を認めながら、言い渡されたのは無期懲役だった。新潟地裁で18日、開かれた喜納尚吾被告(39)の裁判員裁判。強く死刑を求めてきた被害者の母親は「娘の無念を思えば、納得できない」と心情を吐露した。主文言い渡し後、傍聴席からはため息が漏れ、傍聴していた女性が裁判所の外で泣き崩れる姿もあった。

初公判と同じグレーの作業着で出廷した喜納被告。公判では「身に覚えがない」と否認を続けたが、裁判長が有罪の事実認定や理由を次々と読み上げる間、目を閉じ、時折深呼吸するなどした。

主文に先立ち、裁判長が「被害女性の恐怖や絶望は大きく、犯行の結果は重大」と述べると、視線を落とした喜納被告。最後に「遺族の気持ちを真摯に受け止めてほしい」と説諭された際には、小さくうなずいたように見えたが、終始表情は変えず、感情は読み取れなかった。

判決後、被害者の母親は「被告は自らの言葉で真実を語ることもなければ、娘の死を重んじることもなく、ひたすら自分の保身だけを心配した。本当に許せないし悔しい気持ちだ」とする文書を公表した。〔共同〕

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