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届かない接種券、伝わらない親への説明 実録・ワクチン大規模接種 - 毎日新聞 - 毎日新聞

会場へ向かう途中の看板を記念に撮影する記者の両親=東京都千代田区で2021年5月31日、中嶋真希撮影
会場へ向かう途中の看板を記念に撮影する記者の両親=東京都千代田区で2021年5月31日、中嶋真希撮影

 どうすればワクチンを打ってもらえるのか。自衛隊が運営する新型コロナウイルスワクチンの大規模接種センターでは、65歳以上の高齢者へのワクチン接種が始まっている。東京都内で暮らす記者の両親は予約受け付け開始時点で65歳。だが、予約に必要な接種券はまだ届いていなかった。接種券を手に入れて、予約し、ワクチンを打ってもらう。単純な手続きだ。そう思って両親の手助けを始めたのだが、これほど大変だとは……。大規模接種センターで両親にワクチンを打ってもらうまでの実録を報告する。【中嶋真希/デジタル報道センター】

 まずはワクチン接種までの流れをおさらいしておきたい。日本でのワクチン接種は医療従事者から始まり、現在は65歳以上の高齢者の順番だ。65歳以上には、住民登録している自治体から「接種券」と呼ばれるクーポンが郵送されてくる。

 接種券が届いたら、それぞれの自治体が設けている電話やインターネットなどの予約システムを使って、接種時間や会場などの予約を入れて、その日になったら接種するという仕組みだ。

 自衛隊が運営する東京都千代田区の大規模接種センターは、接種スピードを上げるために自治体とは別に設けられた会場だ。接種業務を担うのは全国の自衛隊病院や衛生部隊から集まった医官や看護官、准看護師らで、東京会場は約290人を配置。東京23区から23区外、埼玉・千葉・神奈川の3県の住民へと広げ、1日最大1万5000人に接種していく。1957年4月1日以前に生まれ、2021年度中に65歳に達する人で、接種券を持っていれば予約ができる。しかし、防衛省ホームページか無料通信アプリ「LINE(ライン)」を経由して予約しなければならないため、一部の高齢者には難しそうだ。

接種券がないと始まらない

 「大規模接種の予約が始まるよ。接種券はまだ届いていないよね?」

 大規模接種センターの予約が始まった5月17日、記者は両親にLINEでメッセージを送った。

 記者の自宅と実家はそれほど離れていないが、新型コロナの感染拡大が始まってから、実家を訪れる頻度はぐっと減った。母はすでに仕事をやめているが、父は店舗デザインなどを行う自営業を続けており、現場に行かなくては仕事ができない。在宅勤務ができない父が感染しないか心配だ。記者は、両親が住む自治体の公式ウェブサイトなどでワクチン接種情報をまめにチェックしていたが、60代への接種券の配布時期は「未定」だった。両親も「いつ打てるのか」と気にしていた。

 予約に必要な接種券について、父からの返信には「まだだよ。接種券がないと予約できないの? じゃあ無理だね」と…

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