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黒い雨訴訟 「受け入れ困難」覆した内閣支持率低迷 国が上告断念 - 毎日新聞 - 毎日新聞

記者の質問に答える菅義偉首相=2021年7月15日、代表撮影
記者の質問に答える菅義偉首相=2021年7月15日、代表撮影

 「黒い雨」訴訟の上告断念によって、国は被爆者援護区域の大幅な見直しを迫られることになる。高齢化が進む「被爆者」救済へ向けた地元の強い決意が、支持率低迷に悩む菅義偉首相を政治決断へ動かした。

世論意識し「トップの決断」演出

 「多くの方が高齢者で、病気をお持ちの方もいる。速やかに救済させていただくべきだとの考えに至った」。首相は26日、首相官邸で記者団に、上告断念の理由をそう説明した。

 今回の高裁判決について政府内では、救済対象が大幅に広がる懸念や過去の判例との整合性の問題から「受け入れは困難」との意見が大勢だった。急転直下の判断には、新型コロナウイルス対応などを巡り、内閣支持率低迷にあえぐ首相の立場がにじんだ。

 国の全面敗訴となった高裁判決は、被爆者援護法で定める認定要件の一つである「原子爆弾の放射能の影響を受けるような事情の下にあった者」について「原爆の放射能により健康被害が生じることを否定することができないものであったことを立証することで足りる」とした。

 厚生労働省幹部は「この判決が確定すると、国が放射能と関係がないということを立証できなければ被爆者健康手帳を交付しなくてはならなくなる」と危惧。原爆による健康被害の立証を「原告側」に求めた福岡高裁判決(2017年最高裁で確定)との整合性も欠くため、上告断念に反対していた。

 法務省幹部も「判決に従えば、被爆者の範囲が際限なく広がる」として上告を具申した。今月23日には厚労省と法務省、広島県・市の幹部が広島市内で非公式に協議。上告断念を求める県・市に対し、国側は上告したい考えを示し、協議は平行線をたどっていた。

 一方で、政府関係者は「上告すれば、…

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