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1階台所から覚醒剤検出 ドン・ファン事件 夕食時に5時間2人きり - 毎日新聞 - 毎日新聞

野崎幸助さん宅の庭を調べる捜査員ら=和歌山県田辺市で2018年6月7日午前10時53分、本社ヘリから久保玲撮影 拡大
野崎幸助さん宅の庭を調べる捜査員ら=和歌山県田辺市で2018年6月7日午前10時53分、本社ヘリから久保玲撮影

 「紀州のドン・ファン」と呼ばれた和歌山県田辺市の会社社長、野崎幸助さん(当時77歳)が殺害された事件で、自宅1階にある台所の床などから、微量の覚醒剤が検出されていたことが判明した。野崎さんは夕食時に約5時間、須藤早貴容疑者(25)=殺人容疑などで逮捕=と2人きりだったとみられ、飲食物に混ぜるなどして覚醒剤を飲まされた疑いが強い。一方、野崎さんが遺体で見つかったのは2階寝室。県警は殺害場所などの絞り込みを急いでいる。

 野崎さんは2018年5月24日午後10時半ごろ、自宅2階寝室のソファで倒れて死亡しているのを妻だった須藤容疑者と家政婦の女性が発見した。死亡推定時刻は午後9時ごろで、血液や胃の内容物から多量の覚醒剤成分が検出された。

野崎さん宅の間取り 拡大
野崎さん宅の間取り

 当時、家政婦として働いていた女性の証言によると、当日は昼食にしゃぶしゃぶを作り、夕食用に温めて食べられるよう、うどんも用意した。女性は午後2時ごろに外出し、午後7~8時ごろに帰宅。浴室から出てきた須藤容疑者に「あれ、社長は?」と聞くと、「上にいますよ」と答えたという。

被害者は2階で発見

 その後、一緒に1階でテレビを見ていたが、2階から物音が聞こえて様子を見に行った須藤容疑者が、野崎さんが倒れているのを発見したという。

 県警は、自宅の防犯カメラ映像から屋外からの侵入者はおらず、野崎さんが覚醒剤を飲まされたのは須藤容疑者と2人きりだった夕食時間帯だったと推定。2人はふだん1階で食事をしており、台所で見つかった覚醒剤も使用時などに散らばった可能性があるとみている。

 一方、他に目撃者がいないことから、野崎さんが1階で覚醒剤を飲まされてから移動したのか、2階で飲まされたのかは明らかになっていない。

 覚醒剤をどのように摂取させたかも未解明だ。県警は野崎さんが飲んでいたビール瓶などを調べたが、覚醒剤成分は検出されなかった。【橋本陵汰、山口智】

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