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ワクチン不足に与党から批判、具体的な解決策見出せず 首相の意欲が現場の混乱助長 - 東京新聞

 
 政府による新型コロナウイルスワクチンの供給が不足する中、衆院厚生労働委員会の閉会中審査が7日開かれ、与党からも批判が噴出した。政府は陳謝したが、具体的な解決策や、米モデルナ製の供給量が予定の約3割と大幅に減った経緯は分からずじまい。菅義偉首相は、なおワクチン接種の加速に強い意欲を示しているが、現場の混乱を助長しかねない。(大野暢子、木谷孝洋)

◆混乱

 「全国で大変な混乱が起きている。この事態をどう乗り越えようとしているのか」

 米ファイザー製のワクチンを住民接種に使う自治体が、供給不足から相次いで接種の予約受け付けを停止している現状を受け、衆院厚労委で自民党の繁本護氏は強い口調で政府をただした。藤井比早之ひさゆき内閣府副大臣は自治体の需要と供給のミスマッチが原因と釈明し「自治体に計画的に接種を進めてもらうよう緊密に連携する」と答弁。繁本氏は「ワクチン会社と前倒しの供給を交渉すべきだ」と訴えたが、藤井氏は「真摯しんしに受け止める」と話すにとどめた。

 立憲民主党の枝野幸男代表も質疑に立ち、職場接種に用いられるモデルナ製の6月末までの供給量が、当初契約の4000万回分から1370万回分に減ったことに関し「十分な量があると期待させ、早い者勝ちの競争をさせたのは明らかに失態だ」と批判。減少の経緯を説明するよう求めたが、政府側は「モデルナとの秘密保持契約があるので言えない」と拒否した。

◆前のめり

 ワクチン接種は、首相の前のめりな姿勢を追いかけるような形で進んできた。

 首相は65歳以上の接種が始まった4月、高齢者の接種を7月中に完了させたいとの意向を表明。1日100万回との目標も打ち上げた。6月にスタートした職場接種を巡っても「できることは全てやる」と、なりふり構わぬ言動で加速を促してきた。

 だが、職場接種は開始直後から供給不安が生じ、政府は6月23日に申請を一時停止すると発表。受け付け済みの企業にも対応し切れていない状況で、再開のめどは立っていない。

 ファイザー製のワクチンは4~6月に1億回分を供給したのに対し、7~9月は3000万回少ない7000万回分の予定。このため予約受け付けを停止したり、集団接種の会場を減らしたりする自治体が続出している。

 首相は7日、官邸で自民党の二階俊博幹事長らと会談。コロナ対策に関し「ワクチン一本でいきたい」と強調したが、衆院厚労委には出席せず、立民の長妻昭元厚労相は質疑で「7、8月は供給が追いつくのか。首相が自ら語るべきだ」と主張した。

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