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「佐渡金山」推薦に見送り論 保守派は圧力、岸田首相の判断焦点 - 時事通信ニュース

2022年01月21日07時28分

佐渡金山の手堀り跡「道遊の割戸」=2021年11月、新潟県佐渡市

佐渡金山の手堀り跡「道遊の割戸」=2021年11月、新潟県佐渡市

 文化審議会が世界文化遺産の推薦候補に選定した「佐渡島(さど)の金山」(新潟県)をめぐり、政府内で推薦見送り論が強まっている。韓国政府が選定の撤回を求めており、現段階で推薦しても登録を見通せないためだ。ただ、自民党保守派は速やかな推薦を求めており、2月1日の推薦期限を前に岸田文雄首相は難しい判断を迫られそうだ。

佐渡金山、反発には反論を 安倍氏―世界遺産

 木原誠二官房副長官は20日の記者会見で「登録実現が何よりも重要だ。そのために何が最も効果的か、総合的に検討を行っている」と語った。
 政府関係者は木原氏発言について「現時点の推薦は登録実現に効果的でないという意味だ」と解説する。一度不適格とされた世界文化遺産候補がその後に登録された例はない。韓国は「朝鮮半島出身者の強制労働の現場」と猛反発しており、時間をかけて反論材料を準備しなければ、将来の登録の芽までついえかねないというわけだ。
 「世界の記憶」(世界記憶遺産)をめぐり、国連教育科学文化機関(ユネスコ)が昨年、関係国の同意がなければ登録できない制度を創設したことも懸念材料だ。この制度は南京事件の資料登録に反発した日本が導入を主導した経緯があり、日本の対応が国際社会に「ご都合主義」と映る恐れがあるからだ。
 韓国は3月に大統領選を控えており、推薦は「過去最悪」と言われる日韓関係を一層複雑化させかねない。外務省関係者は「推薦先送りが合理的。あとは政治判断だ」と語った。
 一方、自民党保守派は首相への圧力を強める。安倍晋三元首相は20日の安倍派総会で、最後は首相の判断としつつ「論戦を避ける形で登録を申請しないのは間違っている」とけん制。高市早苗政調会長は19日の記者会見で「堂々と推薦を行わなければならない。日本国の名誉に関わる問題だ」と語った。
 首相の判断次第では、安倍氏や高市氏ら政権を支える有力者との間に溝が生じる可能性もある。首相周辺は「首相が判断を迫られる形にしたくなかった」と危機感をあらわにした。

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