「救済措置」トレンドに要望相次ぐ東大の受験生ら刺傷などで - 毎日新聞 - 毎日新聞

大学入学共通テスト初日に受験生らが切りつけられた現場付近を調べる警察官ら＝東京都文京区の東京大で2022年1月15日午前10時2分、吉田航太撮影

　新型コロナウイルスのオミクロン株の感染が急拡大する中で、15日に始まった大学入学共通テストに関連し、ツイッターでは受験生の「救済措置」を求める投稿が相次ぎ、トレンド入りした。東京大の受験会場（東京都文京区）では15日午前、高校生2人を含む3人が男子高校生に刃物で刺される事件が発生。受験生を標的にした痴漢を予告する書き込みも相次いでいる。受験センターは体調不良などで受験できない場合は追試を申請するよう呼びかけている。

　東京大の事件では「被害者もだけど　同じ教室の受験生の救済措置　どうかお願いいたします」「動揺して合格率下がるだろうし…他の受験生にもやり直しの機会与えてあげて」などの投稿があった。脳科学者の茂木健一郎さんは「東京大学での事件、何よりも、被害を受けた学生さんのけがの程度が軽いこと、早く回復されることをおいのりするとともに、救済措置を手厚くされることを政府、文科省にのぞみます」と投稿した。

　また、14日にはネット上に「明日はJK（女子高生）を痴漢しまくっても通報されない日です」などの投稿が相次いだ。テスト当日であれば警察に通報しにくいとの受験生心理につけ込むものとみられる。

　お笑い芸人のせやろがいおじさんは14日夕方、この問題を取り上げ「絶対、許したらアカン」として対処法を提案した動画（https://twitter.com/emorikousuke/status/1481924778353393664)を投稿し、6900件以上の「いいね」がついた。

　都営地下鉄などを運行する東京都交通局も13日、ツイッターアカウントで「痴漢・盗撮・暴力は犯罪行為です。何かお困りのお客様や、お気付きのお客様は、駅係員、乗務員、警備員または巡回中の警察官までお知らせください」と投稿し1200件以上リツイートされている。「周囲の人は痴漢を見つけたらちゅうちょせず警察に連絡して」などの投稿もみられた。

　大学入学共通テストは、試験の当日や会場で発熱やせきなどの症状が出た場合、申請すれば29、30日に実施される追試験を受けることができる。詳しくは大学入試センターのHP

　文部科学省は昨年6月、新型コロナの影響で試験を受けられなかった受験生らを救済するため、国公立の2次試験など各大学の個別入試に、追試などを設定するよう各校に求め99％の大学や短大が対応している。さらに文科省は今月11日、大学入学共通テストの本試験と追試験のいずれも新型コロナの影響などで受けられなかった受験生について、個別試験のみで合否判定することや再追試の機会を設けることを各大学に要請したが、これについては公平性の確保から批判も出ている。【デジタル報道センター】

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