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スーナク英首相と岸田首相「広島アコード」で合意 スーナク氏はカープの靴下 - BBCニュース

広島東洋カープの赤い靴下をはいて岸田首相との夕食会に臨んだスーナク首相(18日夜、広島)

画像提供, PA Media

リシ・スーナク英首相と日本の岸田文雄首相は18日夜、広島市内でワーキングディナー(夕食会)に臨み、日英の戦略的パートナーシップ強化を掲げる「日英広島アコード」に合意した。スーナク氏はこの日、経済と防衛において日本との関係強化で合意したと発表。午後に広島入りすると、広島東洋カープのロゴの入った赤い靴下をはいて、日本料理店での夕食会に出席した。

「広島アコード」

広島での夕食会で日英首相は、安全保障や経済、世界的な課題など、幅広い分野で戦略的な日英の連携を深めていく「広島アコード」に合意。欧州とアジアにおけるもっとも近いパートナーとして、安全保障と防衛での協力にいっそう努力すると確認した。

さらに、イギリスの「環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTTP)」加盟が今年3月に合意されたことを歓迎。サイバーや科学技術、イノベーション、半導体、再生可能エネルギーなどの分野での協力前進を歓迎したほか、デジタル技術、医療、原子力発電など幅広い分野での協力推進についても合意した。

さらに、アジアにおいては中国や北朝鮮に関する問題で、引き続き緊密に連携することで合意した。北朝鮮については、核開発やミサイル問題のほかに、拉致問題への対応も含まれる。

両首相は、台湾情勢の平和と安定の重要性を確認するほか、ウクライナ情勢については、厳しい対ロ制裁と強固なウクライナ支援の継続を確認。主要7カ国(G7)が法治主義にもとづく自由で開かれた国際秩序を断固として維持し、ウクライナとのゆるぎない連帯を示すと、明確なメッセージを世界に発信することでも合意した。

さらに、いわゆる「グローバル・サウス」(南半球に多いアジアやアフリカなどの新興国・途上国の総称)とかかわり、支援していくことの重要性についても、両首相はきたんのない意見交換をしたという。

イギリス政府はこれに先駆け、日英経済と安全保障、技術協力に関する新たな戦略的パートナーシップを締結すると発表。スーナク首相は、2025年までに英海軍艦隊をインド・太平洋地域に派遣すると約束していた。

東京へ向かう機内で首相は、「岸田首相と私は、インド・太平洋において平和と安全保障を守り、自由で公平な貿易を含む価値観を守る重要性について、緊密に連携している」と記者団に述べ、「広島アコードによって、両国の安保上の協力は強化され、経済成長とともに実現し、両国が世界の先頭に立つ科学技術力を開発していく」と話していた。

日英の投資拡大

Rishi Sunak

画像提供, Pool

スーナク首相は広島入りに先立ち、19日から始まる主要7カ国(G7)首脳会議に先駆け、海上自衛隊のヘリコプター搭載護衛艦「いずも」を視察。日英の安全保障協力をはじめ、サイバー対策や半導体企業の協力関係を強化すると発表した。

スーナク首相はさらに、日本企業によるイギリスへの約180億ポンド規模の投資プロジェクトで合意したと発表した。主要セクターの成長と高技能職の雇用創出、技術イノベーションの促進を期待しているとしている。

イギリス政府は、欧州連合(EU)離脱後のイギリスにとって、日本をはじめとするアジア地域が機会提供の場になると強調する。さらに、中国の戦略的な脅威に対抗するため、日本やオーストラリアと提携する重要性も示している。

イギリス政府によると、日本は対イギリス投資で世界5位につけ、920億ポンドを投じている。昨年の日英貿易総額は277億ポンドだった。これは、イギリスのCPTTP加盟によって、さらに加速するものと期待されている。

新規プロジェクトでは、丸紅がスコットランドやウェールズでのオフショア風力発電や低炭素水素分野などのクリーンエネルギーに投資する。丸紅はイギリス政府と、向こう10年で約100億ポンドを投資するとする基本合意(MoU)を結んだ。

同様に住友商事も、オフショア風力発電などで合わせて40億ポンドを投資する。イギリスは一連のクリーンエネルギー・プロジェクトによって、オフショア風力発電の発電量を2030年までに50ギガワットまで増やしたい考え。

海上自衛隊の護衛艦「いずも」を視察したスーナク首相(18日、横須賀)

画像提供, PA Media

スーナク首相はこの日、東京でビジネス会議を主催。7月に予定されるイギリスのCPTTP正式加盟に先立ち、日本の大手企業トップらと会談する中で、日英の経済関係の強さを示した。

首相は、日本有数の複数企業による新規投資は、「イギリスのダイナミックな経済に対する、絶大な信任投票だ」と歓迎。「各企業はイギリスの政府および産業を協力し、高品質で信頼できる雇用を創出するほか、イギリス各地で大きな変化をもたらす投資を実施する」と述べた。

さらに、「またイギリス大手企業が、日本における成長と協力の大きな機会を捉えているのも素晴らしい。我々が貿易関係をさらに発展させ、巨大な地域貿易圏のCPTPPに参加すれば、両国の企業や起業家にとって限界はない」と強い期待を示した。

このほか、三菱地所と三井不動産は、合わせて35億ポンドの投資計画を発表した。ロンドンで住宅や高品質オフィス、生命科学研究所などの建築にかかわるという。住友重工はスコットランドに高電圧ケーブルの製造工場を建設する。

投資は日本からイギリスへに限らず、イギリスから日本への投資も決まった。

イギリスのオクトパス・エナジーは、アジア・太平洋地域のエネルギー市場の2027年までに15億ポンドを投じると発表。そのために、東京に置く本部を拡張し、日英で合わせて1000人の雇用を生むとしている。

英コンサルタント会社モット・マクドナルドは、日本西部でオフショア風力発電施設の設置に協力する。これは17万5000軒の住宅に再生可能なクリーン・エネルギーを提供することになる。

他方、最大野党・労働党は、保守党政権下で外国からの投資は急減したと批判した。影のニック・トマス=シモンズ国際貿易相はさらに、予算責任局(OBR)の予測では、今年の物・サービスの輸出高が6.6%減る見通しだと指摘し、日本からの投資拡大については「大事なの細部だ」とくぎを刺した。

カープの赤い靴下

広島東洋カープの赤い靴下を履いて岸田首相との夕食会に臨んだスーナク首相(18日夜、広島)

画像提供, PA Media

広島カープの赤い靴下を履いて岸田首相との夕食会に臨んだスーナク首相(18日夜、広島)

画像提供, PA Media

スーナク氏は同日午後、広島入り。市内の日本料理店で、岸田首相とワーキングディナーに臨んだ。

スーナク氏は広島地元のプロ野球球団、広島東洋カープのロゴの入った赤い靴下をはいており、靴を脱いで畳に上がった際、岸田首相にそれを示した。

広島訪問中にスーナク氏は、被爆者追悼のために植樹する予定。

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