福岡県警は26日、福岡、鹿児島両県で、子ども計3人の遺体が見つかったと発表した。父親とみられる40代の男は鹿児島市内のホテルの部屋から飛び降り、病院に搬送された。鹿児島で発見された2人には外傷があったことから、同県警は殺人容疑で捜査。男が関与したとみている。3人は9歳と3歳の男児、2歳の女児の可能性がある。両県警は身元の確認を進めるとともに事件の経緯などを調べている。

福岡県警によると、ホテルの部屋からは遺書が見つかった他、父親名義で借りられたレンタカー内には未使用の練炭が残されていた。県警は父親が無理心中を図ろうとした疑いがあるとみている。

両県警によると、25日午前、宮崎県串間市の商業施設で放置されたレンタカーが発見された。同日午後2時50分ごろ、契約書に記された福岡県飯塚市伊川の集合住宅を警察官が訪ねたところ、施錠された部屋から10歳前後の男児の遺体を見つけた。

男児は死後1週間程度経過しており、目立った外傷はなく、司法解剖の結果、死因は不詳だった。この部屋には他に父親(41)と幼児2人が暮らしていたが、所在が確認できなかった。

その後、鹿児島市の桜島にあるホテルに3人が24日から滞在していることが判明。26日午後7時すぎに福岡県警の捜査員が突入した際に、男は4階のベランダから飛び降りたという。腰などにけがを負ったが、容体は不明。ホテルの部屋からはいずれも外傷がある男児と女児の遺体が発見され、遺書も見つかった。

レンタカーは18日に福岡市内で借りられ、22日に返却予定だった。

福岡の現場はJR飯塚駅の北西約4キロの住宅街。近所の70代男性は、25日に一家が事件に巻き込まれたとのうわさを耳にし、連絡を取ろうとしたがつながらなかったという。父親は言葉遣いも丁寧で、あいさつをよく交わしていたといい、男性は「こんなことが起きるとは夢にも思わなかった」と話した。(共同)