26日午前8時半ごろ、神戸市中央区のJR東海道線(神戸線)元町駅で、男性がホームから線路に飛び込み、通過中の野洲発姫路行き新快速電車に衝突した。生田署によると、男性は電車のフロントガラスを突き破り、運転室も抜けて車内に入り込み、搬送先の病院で死亡が確認された。乗客2人が巻き込まれて重軽傷を負った。

飛び込んだのは神戸市西区の男性会社員(42)。生田署は自殺とみている。先頭車両の右側にいた40代男性と衝突したという。乗客の男性は左腕骨折の重傷だが、命に別条はない。他に乗客の20代女性も体調不良を訴えて病院に搬送された。署は往来危険と傷害の疑いで調べる。JR西日本によると、元町駅にホームドアは設置されていない。

当時混雑していたという先頭車両で座っていた兵庫県尼崎市の女性会社員(28)は、事故の衝撃で割れ飛散した電車の窓ガラスが自身の体に当たったが、けがはなかった。女性は「元町駅付近を通った時に『ドン』とものすごい音が車内に響いてガラス片が吹き飛んできた」と声を震わせて振り返った。

電車は同駅で停車し、消防局が乗客らの救助作業をした。事故の影響で東海道・山陽線は京都-姫路間で上下線が最大約2時間半運転を見合わせ計40本が運休、約3万8500人に影響が出た。

近くに路線がある阪急電鉄と阪神電鉄は振り替え輸送を実施。阪急電鉄によると、この影響で混雑し、数分程度の遅れが生じた。(共同)