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スエズ運河ふさいだ愛媛の会社の船、離礁のメド立たず…石油タンカーなど321隻足止め - 読売新聞

 【スエズ(エジプト東部)=上地洋実】大型コンテナ船がエジプトのスエズ運河で座礁した事故で、スエズ運河庁は27日、初めて現場を報道陣に公開した。タグボートによる懸命の離礁作業が夜通しで続けられているが、正常化の見通しは立っていない。現在の作業方法での離礁が難しい場合に備え、船体を軽くするために積み荷を降ろす準備を進める。

 座礁したのは正栄汽船(愛媛県今治市)所有の大型コンテナ船「エバー・ギブン」で、幅約250メートルの運河をふさぐ形で立ち往生している。報道陣に公開された作業現場では、複数のタグボートが「エバー・ギブン」の周囲に配置され、牽引けんいんロープで船体を引っ張っているのが確認できた。

 スエズ運河庁によると、潮の満ち引きによる水位の差を利用し、満潮時にタグボートで船体の牽引を試み、干潮時に周辺の土砂を取り除く作業を実施している。当初5隻だったタグボートを14隻にまで増やし、一部では深さ18メートルまで土砂を除去した。26日にはかじが動くようになったという。

 ただ、離礁のメドは立っておらず、スエズ運河庁のオサマ・ラビア長官は27日の記者会見で、「作業完了までの見通しは分からない」と述べた。事故原因については、「砂嵐だけでなく、技術的トラブルや人的ミスも考えられる」と述べ、徹底調査する考えを示した。

 運河の航行は停止しており、地中海や紅海では、コンテナ船や石油タンカーなど321隻が足止めされるなど、影響が拡大している。

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